はじまりの瞬間
あれ、何か⻑い夢を⾒ていたようなー。
平成30年1⽉1⽇午前10時42分。
京都駅に着いた私は
不思議な気持ちでいっぱい。
ついさっきまで
夢と魔法で包まれていたようなー。
あれ。
なんだかおかしい。
・・・・・・・
遡ることおよそ17時間前。
平成29年12⽉31⽇午後5時5分
私とお⺟さんは
東京へ向かう新幹線へ乗り込んだ。
ディズニーランドへ⾏くために。
ダメ元で応募した
カウントダウンチケットが
⾒事当選したためである。
当選メールが届いた時の喜びときたら、
今でも忘れられない。
しかし何故、またお⺟さんと、なのか。
年頃の娘なので友達と⾏けばいいものを。
多くの⼈に聞かれたが、
まぁ、うん、なんとなく、ね。
お⺟さんと⾏きたかった。
午後8時から翌朝午前7時までの11時間。
⽂字通り夢のような時間。
夜が明けて空が⽩んできて。
ディズニーランドで
夜と朝の境界を感じられるのは
年に⼀度のカウントダウンだけ。
ファストパスの時間が
午前3時30分〜なんて。
テンション上がる。
両パークを⾃由に
⾏き来できる特別チケット。
カウントダウンは
ディズニーランドですることに。
花⽕が打ち上がる⽅向へ。
偶然と奇跡が重なって、
視界を遮るものが⼀切ない
最⾼の場所で新しい年を迎える準備。
11時57分からパーク内で
蛍の光が流れ、2017年に別れを告げる。
1年間の思い出がフラッシュバック。
やっぱり。相も変わらず。
2017年の私も、
2017年の私が⼀番良かった、
そう思えていた。
毎年、⼈⽣最⾼の1年が更新。
右肩上がりの⼈⽣。
ただのハッピー野郎か。
そりゃあ悲しくて⽬眩がするような⽇も
あったけれど。
振り返って⾒てみれば、思い出なのね。
知らない感情を知って⽣きて⾏く。
そうして豊かな⼈になれれば良い。
いろんな気持ちを理解できる⼈。
そんな優しい⼈になりたい。
̶3・2・1
ドカン
カウントダウンと共に
夜空に打ち上がった花⽕。
・・・あれ。
おかしい。
涙⽌まんない。
なんで。
全く理解できなかった。
全然わからないけれど。
次から次から涙が溢れてくる。
花⽕のあまりの綺麗さに
感動しているのか、私?
違う。
̶お⺟さん。
多分これ。
横で⼀緒に花⽕を⾒上げている⼈が
お⺟さんだったから。 だと思う。
この瞬間を⾒せてあげられたことが
とてもとても嬉しかった、んだと思う。
⼈⽣何があるかわからないし
⾟くて悲しくて⼀⼈じゃ⽴てない時もある。
そんな中で、
こんな美しい瞬間もあるんだよ
って。
恩着せがましいけれど。
⾒せてあげられて嬉しかった。
今年も頑張れそう。
そう思っていてくれたら。
これ以上に幸せなことはない。かな。
どうしても。
お⺟さんは強いものだと思ってしまいがち。
でもやっぱり。
いくら強くても⼀⼈の⼈であり、⼥性。
その辺の感情を取りこぼしがちだから。
⼤切にしていきたい。
そう思ったら、また涙出てきて。
花⽕の10分間は本当にずっと泣いていた。
綺麗だね、って⾔ったお⺟さんも。
同じことを、
もし感じられていたなら嬉しい。
・・・・・・
ああ、あれは夢ではなかった。
魔法にかけられていたわけでもなかった。
今⽇からまた。
⾟いことで溢れている⽇常の中で
⼩さな幸せを⾒つけて⾏くための時間。
だった。
今年も去年と変わらない。
⾃分に素直に、
⾃分らしく⼥性を謳歌する
素敵な1年になりますように。
あ、もう既に素敵でいっぱい。